俺と、悪いことしちゃおっか?
プレゼント??
首を傾げる私に先輩が渡してくれたのは、可愛くラッピングされたドット柄の袋。
開封してみると、淡いピンク色のシュシュが出てきた。
「これを街で見かけたとき、真っ先に咲奈ちゃんの顔が思い浮かんでさ。キミに、似合うだろうなと思って買ったんだ」
「えっ!」
先輩がわざわざ、私のために……?
5月も半ばになり、降り注ぐ陽射しが一段と強くなってきた。
なのでここ最近、私は髪をひとつに結んで学校に来ていた。
「これ、すごく可愛い。でも、もらっちゃって良いんですか?」
「もちろん。いつも俺のこと、起こしに来てくれているお礼だよ。頑張ってる子には、ご褒美をあげるって前に言ってたでしょ?」
そういえば、そんなこと言ってた。
「ねぇ、俺がそれつけてあげるよ」
先輩がシュシュを手にすると、私の髪の毛に触れる。