俺と、悪いことしちゃおっか?
そして、翌朝。
「ふぁああ」
あくびをしながら、登校して来た私が下駄箱で上靴に履き替え廊下に出ると。
「あっ!」
「……え?」
なんと、須藤先輩とバッタリ会った。
「おはよう、咲奈ちゃん。眠そうだね?」
「おはようございます」
うそ! まさか、こんなところで先輩に会うなんて。
それにしても、先輩の笑顔っていつ見ても夏の太陽みたいに眩しい。
「こんなところで会うのは珍しいね? いやぁ朝から咲奈ちゃんに会えたから、今日も1日頑張れそうだよ」
「……っ、」
そんなこと言われたら、やばい。
「あっ、シュシュ。さっそくつけてきてくれたんだ。可愛い」
私は、髪の毛のシュシュに手を当てる。
先輩、ちゃんと気づいてくれた。
勝手にほころんでしまう口角を、必死に引き締める。