俺と、悪いことしちゃおっか?
「そういえば、さっきの4限目の授業のときやばかったんだけど。クラスメイトがさ……」
「えぇっ。何ですか、それ。その話、もっと詳しく聞かせてください」
こうして須藤先輩とふたりで話していると、純粋に楽しくて。
先輩が、笑顔を見せてくれるたびに胸が弾む。
須藤先輩と一緒にいると、なぜかすごく落ち着くんだよね。
私は、先輩のきれいな横顔をじっと見つめる。最近は先輩のことが、出会った頃よりも更にかっこよく見える。
「ちょっと、何見てるの? 咲奈ちゃん。そんなに見つめられたら、俺の顔に穴が開いちゃう」
「みっ、見てませんよ。先輩のことなんて」
「うそだー。今俺のこと、絶対かっこいいなと思って見てたでしょー」
先輩が、私の顔を覗き込んでくる。
「まぁ……そういうことにしておきます」
私は、ふいっと先輩から顔を背ける。
多分いま私の顔、ゆでダコみたいに真っ赤だ。
──こういうやり取りでも、須藤先輩となら楽しいから不思議。
先輩と保健室で過ごすこの時間が、これからもずっと続けば良いのに……。