俺と、悪いことしちゃおっか?


それから数日後の昼休み。


お弁当を食べ終えた私が、教室の自分の席でお弁当箱を片づけていると。


「ねぇ、平沢さんいる?」


教室の入口のほうで、私を呼ぶ声がした。


そちらに目をやると、扉のところに先輩らしき派手な女の人が2人立っていた。


「えっと、私が平沢ですけど……何ですか?」


私は、扉のほうへと向かった。


彼女たちは明るい茶髪に、耳にはピアスをしていて。制服も派手に着崩している。


こんな派手な女の人たち、知らないんだけど。


「ねぇ。ちょっとあなたに話があるんだけど……良い?」


そうだ、思い出した。この人たち、見たことある。


えっと確か、田村先輩と鈴木先輩だ。


須藤先輩に目覚まし時計になるように言われたあの日。須藤先輩が言っていた、先輩の熱心なファンっていう……。


「平沢さん。あたしたちと一緒に来てくれる?」

「えっ?」

「そんなに身構えなくても大丈夫。ほんの少し、話をするだけだから」

「はっ、はい……」


とても『NO』と言えそうな雰囲気ではなく、私はおとなしく先輩たちについて行くしかなかった。


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