俺と、悪いことしちゃおっか?
はっ、はああ?
キスする? って。たった今、初めて話したばかりの私に、いきなり何を言ってるのこの人はーっ!
頭おかしいんじゃない!?
目を閉じた須藤先輩の顔が、私のほうへと徐々に近づいてくる。
この先輩が有名なもうひとつの理由、忘れてた。
それは、とんでもないプレイボーイだってこと。
自分に告白してきた子やファンの女の子を、取っかえ引っ変え彼女にしてるって聞いたことがある。
「キミも、俺のファンなんでしょ? だったら、良いじゃん」
良くなーーい。そもそも私、先輩のファンじゃないんですけど。
先輩の整いすぎた顔が更に近づき、彼の甘い香りがふわりと鼻先をくすぐる。
そしてついに、吐息が触れるほど先輩との距離が縮まり……。