俺と、悪いことしちゃおっか?


はっ、はああ?


キスする? って。たった今、初めて話したばかりの私に、いきなり何を言ってるのこの人はーっ!


頭おかしいんじゃない!?


目を閉じた須藤先輩の顔が、私のほうへと徐々に近づいてくる。


この先輩が有名なもうひとつの理由、忘れてた。


それは、とんでもないプレイボーイだってこと。


自分に告白してきた子やファンの女の子を、取っかえ引っ変え彼女にしてるって聞いたことがある。


「キミも、俺のファンなんでしょ? だったら、良いじゃん」


良くなーーい。そもそも私、先輩のファンじゃないんですけど。


先輩の整いすぎた顔が更に近づき、彼の甘い香りがふわりと鼻先をくすぐる。


そしてついに、吐息が触れるほど先輩との距離が縮まり……。


< 4 / 61 >

この作品をシェア

pagetop