俺と、悪いことしちゃおっか?
「……ぷっ! ははっ」
「なっ、何ですか?」
須藤先輩がいきなり吹き出し、笑い始めた。
「いやぁ、キミみたいな子は初めてだ。俺がキスしようとしたら、大抵の子はおとなしくされるままなのに。まさか、頭突きするなんて」
何がおかしいのか、私にはさっぱりだけど。
先輩は再び、お腹を抱えて笑っている。
「気に入った。キミ、名前は?」
「……そういうときは、先にあなたが名乗るべきでは?」
聞かなくても、先輩の名前は知ってるけど。
「そうだね。俺の名前は、須藤 海里。一応、モデルやってる」
「私は……平沢 咲奈です」
「へぇーっ。咲奈ちゃんって言うんだ。名前も可愛いね。ねぇ、咲奈ちゃん。俺の目覚まし時計になってよ」
「……はい?」