【電子書籍化決定!】悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
ダリルと会う直前に時間が戻ったのなら、それは運命を変えるチャンスなのかもしれない。
迫り来る危機に怯えていると、ケリーは珍しく難しい顔をしている。

「お嬢様、ダリル殿下の顔合わせですけど、やっぱりケリーは嫌な予感がするんです……!」

ケリーの言葉に驚いた後、強く頷いた。
『嫌な予感がする』その通りである。
しかし、ケリーがダリルとの婚約を良く思っていないとは意外である。

「ねぇ、ケリー」
「はい、何でしょうか……?」
「ダリル殿下に好かれるには、どうしたらいいと思う?」
「ぁ……でも、ケリーは」
「教えて頂戴」
「…………はい。ケリーデータによりますと、ダリル殿下は清楚で大人しめな子がお好きなようですよ?」

何処で情報を集めたのか『ケリーデータ』恐るべしである。
少しケリーデータの内情を探ってみると、どうやら侍女同士の噂で聞いたのだそうだ。
しかしケリーを見ていて思うことは只一つ……合コンでは絶対に一緒になりたくないタイプであるという事だ。

「なら、婚約者候補から外れる為には真逆の格好をした方がいいかしら?」
「……え!?」
「わたくし、ケリーの『嫌な予感』を信じることにしたの!」

ケリーはその言葉を聞いて目を丸くしている。
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