【電子書籍配信中】悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
「でも、お嬢様は昨日まで『お父様とお母様の為にも、絶対にダリル殿下の婚約者になりたいわ』って言っていたのに……!」
「気が変わったのよ。ドレスと髪型を変えてくれる?」
「ドレスと髪型……? 何故ドレスを変えるのですか?」

ケリーは唇に人差し指を当ると、体をクネクネさせて悩むような素振りを見せる。
バインバインの胸に腕が挟まっている。なんて羨ましいのだろうか。

「ダリル殿下のタイプにならなければいいと思って!」
「ああ、なるほど!」

先程考えたことを全て実践することにしたのだ。

(まずはトリニティの可愛さを潰して、真逆の印象を作る!)

その為にはケリーの協力は必須である。

「そんなに気合い入れたドレスじゃなくていいの」
「でも、本当に良いんですか?」
「どうして?」
「御令嬢達は皆、ダリル殿下の婚約者の座を狙っていますし……お嬢様は本当にケリーの言うことを信じて決めていいんですか?」

確かにケリーのいうことも一理ある。
ダリルは貴族の令嬢からしたら超高物件といえるだろう。
けれど此処が乙女ゲームの世界であり、トリニティが悪役令嬢と知っているからこそ、リスキーな道は通りたくはなかった。
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