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そんな回想をしつつ、ルンルン気分で入学式を終えるとニヒルな笑みを浮かべて現れたデュラン。
相変わらずデュランの顔だけは眼福である。
推しが現実世界で動いて喋ってくれるのは、やはり尊い。
トリニティの貴重な心のエネルギー源である。
本来『デュラン』は一作目の乙女ゲームのメインキャラではない。
勿論、トリニティとの絡みもヒロインとの接点も殆どない。

『お前の側にいると面白い事が起こるから』という意味のわからない理由で共に学園に通い始めたのである。
デュランは全ての学習過程を遥か昔に終えているそうで本来は学園に通う予定はなかったのだそうだ。
そしてまさかの同じクラスである。
乙女ゲームでは一番下のFクラスであったがクラスが変わって一番上のAクラス。
デュランの足元には及ばないが、勉強は難なくクリアした。
貴族の学園ではあるが身分は関係なく、成績順で分けられている。
そんな学園の方針もデュランの助言が関わっているのだというのだから驚きである。

「女神様も見る目無いわよね」
「……あ?」
「どう見たって『魔王』って言葉の方が似合うじゃない?」

反論するかと思いきや、デュランは納得するように頷いた。

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