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乙女ゲームは初心者ではないが、現実世界での恋愛経験は確かに乏しいと言えるだろう。
マロリーは馬鹿にするように腹を抱えて笑っている。

「トリニティの見た目が原作と全然違って地味だし、ダリルに婚約者が居ないって聞いてビックリしたの! で、もしかしたらトリニティは転生者じゃないかもって思って速攻確認しに来たんだぁ」
「へぇ……」
「トリニティって確かに可愛いけど、なんか馬鹿だったもんね」
「…………」
「それに今も頭回らなすぎじゃない? あ、今の冗談だから間に受けないでね、アハハ」

正直に言おう。
マロリーのノリがよく分からない。
それにトリニティは十分頭を回していたが、それ以上に敵が上手だっただけである。
話す間も無く次々と喋るマロリーに知的な要素は今のところ一切見当たらない。

「誰も攻略してないとか嘘でしょう? パッと見た限り、前に居た取り巻きも全くいないじゃん。本当、今まで何してたの?」
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