【電子書籍配信中】悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
「そうね、全然違うわ。でもこれだけは言っておくけど、貴女みたいな奴にはコンラッドは渡さない」
「……!」

コンラッドをケールとサイモンのように、マロリーの取り巻き化をする事だけは何があっても防がなければならない。
大丈夫だとは思うが、ケールとサイモンはマロリーに惚れ込んでクラスまで変えるほどだ。
警戒した方がいいだろう。

「何よ! 超ムカつくんですけどッ」

マロリーの独り言が聞こえてきたが、トリニティは鼻息荒く、その場を立ち去った。
(……もう話すことはないわ)
転生者同士だとしてもマロリーと仲良くなれる気がしなかった。悪役令嬢として破滅するのを回避する為に動くのは仕方がないことかもしれない。
結末を知っていれば尚更だ。
けれどマロリーとトリニティのやり方や進む道は大きく違うように思えた。
それにケールとサイモンのマロリーを崇拝するような過剰な行動は気になるところだ。
マロリーと関わった事で、ダリルとコンラッド同様、性格が変わったとしてもおかしくはないが、先程此方を睨みつけた所を見るに、良い方向ではない。
(嫌な予感がする……!)
その嫌な予感は見事的中するとは、この時はまだ思っていなかった。

そして次の日、根も葉もない噂が学園中に広がっていた。

「トリニティ様って、マロリー様を目の敵にしているらしいわよ?」
「マロリー様が仲良くしようってしたのに断ったんですって」
「……え? あの誰にでも優しいマロリー様を!?」
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