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それからは結局、噂だけでは痛めつけられないと分かったマロリーは姑息にも作戦を変えてきた。
なんと『トリニティに虐めを受けている』と自作自演をし始めたのだ。
教科書を破られた、筆記用具をバラバラにされた。
ひどい時は水をかけられた、下駄箱に泥を詰められた。
マロリーが自分で自分に水を掛けたり、砂と水混ぜて泥を作って自分の下駄箱に詰めたかと思うとクスリと笑ってしまう。
まさかこの年でイジメの首謀者にされるとは思わなかった。
この年といっても、転生前の年齢を加味して数えたものだ。

そんな時、マロリーに籠絡されている教師に呼び出された。
そして『マロリーを虐めるな』と咎められている。

「自分がどれだけ酷い事をしているのか分かっているのだろう!?」
「そんな下らならい事をする暇があるならば、勉強をしなさい!」
「……」

黙って聞いているのをいいことに、マロリーの味方をしている名前も知らない男性教師二人は、トリニティを悪と決めつけて責めはじめたのだった。
「勉強をしなさい」という台詞はマロリーに言うべき事なのでは?という突っ込みは、目の前の教師達を煽るだけになるだろう。
マロリーのFクラスの担任教諭と臨時の保健医はペラペラと此方を責め続けた。
時間が勿体無いと感じた為、遮る様に片手をあげる。
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