【電子書籍化決定!】悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
ダリルにスッパリと嫌われるのはどうだろうか。
変装して姿を隠す。それとも他の令息と婚約してしまう。
これはリスクが高い選択だろう。王族に嫌われるなんて以ての外だ。
フローレス家に迷惑を掛けて住むところが無くなるのは嫌だ。
そうなってくると興味を持たれない事が一番いいのではないだろうか。
ダリルが嫌いそうな令嬢を演じればトリニティへの興味を失うだろうか。

(それが一番確実な方法かもしれないわ……!)

そうすればダリルも誰か他の令嬢と婚約して、その子が悪役令嬢としてヒロインの前に立ち塞がるのかもしれないが、それはそれで頑張って頂こう。
将来ダリルの婚約者になる令嬢には申し訳ないが、こうなってしまった以上折角手に入れた新しい人生……当て馬になる気は更々ない。
物語からトリニティが退いた所で、勝手に話が進んでいくのか、巻き込まれていくのかシナリオが変わるのかはまだ分からない。
けれど悪役令嬢が悪役として立ち塞がらなければならないというルールはない。
鏡に映る天使のようなトリニティに心の中で問いかける。

(金持ちに嫁いで優雅に暮らす……それが一番幸せだと思いませんか?)

トリニティ、マジで天使である。
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