年下男子
「みんなも知っての通り、営業1課にいた宮田君が企画室への異動が決まった。併せて取締役に就任すことになり一言挨拶をしたいとのことだ。みんな聞いてくれ」
営業部長の紹介で一歩前に進み出た修平君。
朝家を出た時とは違う真新しいスーツと綺麗に整えられた髪が落ち着いた印象を与える。
こうしてみると彼は、やっぱり御曹司なんだな。
「2年弱という短い間でしたが、皆さんには多くのことを教えていただきました。ありがとうございました。ここで培った経験が企画室や、経営の現場でもきっと生かせるものと思っています。今回の異動で営業の現場を離れることになりますが、同じ企業の一員であることに変わりはありませんので、これからもよろしくお願いします」
挨拶が終わると一斉に拍手が起こり、みんなが代わる代わる修平君に声をかける。
私もみんなが声をかけ終わった頃を見計らって修平君の前に立った。
「おめでとうございます」
今日の朝まで一緒にいた人と同じ人物とは思えないほど立派で凛々しい姿に、私は胸のドキドキを必死に抑えてお祝いを言った。
それなのに、
「ありがとう、蘭さん」
えっ。
たった一言で、お祝いムードでざわついていた周囲の動きが止まった。
営業部長の紹介で一歩前に進み出た修平君。
朝家を出た時とは違う真新しいスーツと綺麗に整えられた髪が落ち着いた印象を与える。
こうしてみると彼は、やっぱり御曹司なんだな。
「2年弱という短い間でしたが、皆さんには多くのことを教えていただきました。ありがとうございました。ここで培った経験が企画室や、経営の現場でもきっと生かせるものと思っています。今回の異動で営業の現場を離れることになりますが、同じ企業の一員であることに変わりはありませんので、これからもよろしくお願いします」
挨拶が終わると一斉に拍手が起こり、みんなが代わる代わる修平君に声をかける。
私もみんなが声をかけ終わった頃を見計らって修平君の前に立った。
「おめでとうございます」
今日の朝まで一緒にいた人と同じ人物とは思えないほど立派で凛々しい姿に、私は胸のドキドキを必死に抑えてお祝いを言った。
それなのに、
「ありがとう、蘭さん」
えっ。
たった一言で、お祝いムードでざわついていた周囲の動きが止まった。