年下男子
トラブル発生
「おはようございます」
「宮田君、おはよう」

月曜日の朝。
いつものように出勤すると、宮田君はすでに出社していた。
だからと言って特別に話しをするわけではない。ただみんなと同じように挨拶をするだけ。
そもそも同じ営業でも1課に所属する宮田君と、2課の主任を務める私ではほぼ接点がない。
だからこそこの関係が続けられるのかもしれない。

「おいっ、加山くん」
いつもなら9時前にならないと現れない課長が、大声をあげてやって来た。

「課長、何かありましたか?」
普段から声の大きな課長だけれど、ただならぬ何かを感じた。

「何かじゃない。丸越デパートのイベントは今日からじゃないのか?」
「ええ、そうです」

丸越デパートはうちのお得意さんで、全国に数十店舗を構える大手デパート。
うちとのつき合いも古い分、多くの商品を収めさせてもらっている。
今回のイベントも、定番の菓子から夏限定のものまで時間をかけて準備をした。

「向こうの部長から商品が届かないってクレームが入っているぞ」
「はあ?」
そんな馬鹿な。
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