ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
「お兄様、重たくないのですか?」

「何を言っているんだ、ベアトリス‥!お前は天使なのだから羽のように軽い」

「‥‥そう、ですか」


何を言っているんだ、をそのままお返ししてあげたいベアトリスだったが、余りにも当然の如くブランドに言われた為、何も言えなくなってしまった。

ベアトリスの体は小さくブランドが抱えるとすっぽりと収まってしまう。
ベアトリスはブランドの端正な顔をじっと見ていた。


「そんな可愛い顔で見るんじゃない。手が震えるだろう?」

「お兄様って‥」

「なんだ?」

「どうしてそんなに、わたくしの事が好きなのですか?」


ブランドはベアトリスの義理の兄であり、血は繋がっているかどうか分からない程に薄いらしい。
優秀なブランドはシセーラ侯爵に見出されて、養子として迎えられた。

そしてベアトリスと出会った瞬間から今日まで、ベアトリスを溺愛しまくっている。
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