ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
確かに理由もなくマーヴィンと婚約破棄をしてしまえば、ベアトリスはこの先、嫁ぎ先が無くなり選択肢が狭まってしまう可能性もあるだろう。

今までベアトリスに尽くしてくれた両親には申し訳ない気持ちで一杯ではあるが、マーヴィンとハンナにナイフを向けて牢屋に入り、シセーラ侯爵家の名に泥を塗ると共に、ベアトリスが処刑されるよりはずっとずっとマシだろう。

けれどそれは婚約破棄をする際に何も理由がなかった場合だ。
しかしベアトリスには婚約破棄するだけの理由がある。

(不貞行為、万歳ッ‥!)

この時ばかりはマーヴィンのチャラチャラとした女遊びが激しい性格に感謝するばかりである。
マーヴィンを愛する気持ちが無くなりさえすれば、ベアトリスが我慢する必要は一切ないのだ。

マーヴィンは「嫌なら婚約破棄すればいい」とベアトリスに言った。
だったら今のベアトリスの答えは「嫌だから婚約破棄して欲しい」である。
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