ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
そしてベアトリスは熱が下がってから初めてマーヴィンと会うことになった。
ベアトリスは今日、決着を付けるつもりで公爵家へ向かっていた。
何度もマーヴィンと話し合いをするつもりはない。
お互いの同意が得られれば、それで良い。
ベアトリスは不機嫌そうなマーヴィンに嫌々エスコートされながら席に着いた。
『マーヴィン様、今日はわたくしの為にありがとうございます』
『マーヴィン様、今日もとても素敵ですわ』
『マーヴィン様に会える日をとても楽しみにしていました!』
ベアトリスはマーヴィンと会えば、腕を絡めて擦り寄りながら愛を伝えるのだが、今回は何もせずにベアトリスは席に着いたのだ。
いつものようにベアトリスがマーヴィンを褒め称える言葉が無いことに違和感を感じているのか、警戒心を滲ませながらベアトリスを睨みつけている。
大体、今日みたいに公爵家で顔を合わせる日は、ベアトリスが一方的にマーヴィンに話しかけていた。
結婚式のドレスの色や誰を招待しようかなどと、2人の明るい未来の事をずっと‥。
それをマーヴィンがウンザリしながら聞いているというのがお決まりのパターンだった。