ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
セレクト公爵家の立派すぎる中庭。
ベアトリスが気に入ったからと用意された椅子やテーブル。

(これもセレクト公爵がベアトリスの機嫌を損ねない為に用意したものなのよね)

セレクト公爵はベアトリスを大切に扱っている。
何故ならベアトリスは金の成る木だからだ。

セレクト公爵家は古くからある家だが、事業に失敗したのとセレクト公爵の女遊びのせいで資金が底を尽きそうになっている。
マーヴィンはそんな父親と無関心な母親にウンザリしながらも現実から目を背ける為に、自らも女遊びで傷を慰めているのだ。

(‥‥可哀想な人、なんて言うと思ったら大間違いよ)

ベアトリスがセレクト公爵に嫁ぐ事で、多額の支度金が約束されている。

ベアトリスはマーヴィンが何をしても結婚する為に黙っているしかなかった。
マーヴィンはその意図を理解した上で、マーヴィンを愛し続けるベアトリスの気持ちを利用して好き放題している。

ベアトリスを思いきり拒否して嫌っているくせに、何もかも得ようとしている。


(‥‥欲張りな男、こっちだって容赦はないわ)
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