ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
「この間は、お見舞いに来て下さりありがとうございました」

「‥‥」

「お兄様が無理を申し上げたようで申し訳ございません」

「‥っ!?」


第一声から、まともに話し出したベアトリスを唖然としながら見ているマーヴィン。


「今回は、ある確認をしに参りましたの」

「なんだ突然‥‥気持ち悪い」


これだけマーヴィンに嫌われて暴言を吐かれていたにも関わらず、マーヴィンを好きでいたベアトリスには尊敬してしまう。
普通ならば愛する人にここまで言われてしまえば耐えられないだろう。
それだけマーヴィンからの愛が欲しかったのだろうが、それではベアトリスは幸せにはなれない。

マーヴィンに「婚約破棄してくれ」と言われるたびに、この世の終わりかの如く泣き叫んでいたベアトリス。
ベアトリスが嫌がるとマーヴィンは決まってこう言うのだ。
「だったら俺に指図をするな」と。
ベアトリスはマーヴィンに言われて泣く泣く我慢するしかなかった。
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