ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
まさか父が欲している金を餌に、婚約までする事になるとは思わなかった。
マーヴィンが今まで婚約者を作らなかったのには理由があった。
婚約者が居たら複数の女性関係は作れないからだ。
ベアトリスはマーヴィンの自由を無理矢理奪い取ったのだ。
(なんてウザい女なんだ‥)
マーヴィンにとってはベアトリスなど、どうでもよかった。
他の女性に会おうとすると必ずベアトリスの邪魔が入る。
我慢の限界を迎えたマーヴィンは「もうしつこく付き纏わないから、他の令嬢の元へ通うのをやめてください」というベアトリスに「嫌なら婚約破棄すればいい」と吐き捨てた。
ベアトリスはその言葉に大きく目を見開いた。
そしてベアトリスは泣き喚き「絶対に婚約破棄したくないですわ」と癇癪を起こしたのだった。
けれど、次の日から自分本位だったベアトリスがマーヴィンの様子を窺うようになったのだ。
マーヴィンは昨日の言葉を思い出していた。
どうやら「婚約破棄」はベアトリスにとって最も有効な言葉だと気づいてしまったのだ。
(ははっ!これは使えるぞ‥ッ)