ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
けれどマーヴィンには婚約者が居る。
ハンナの手を取りたくてもマーヴィンには‥。

(クソ‥アイツさえ居なければ)

そんな時、ベアトリスが高熱を出して寝込んだと連絡があった。
父であるセレクト公爵にも「ベアトリスのお見舞いに行け」と言われ、ベアトリスの兄であるブランドにも「お見舞いに来てくれ」と言われたマーヴィンは何かと理由をつけて頑なに拒否していた。

しかしハンナに「マーヴィン様、問題から目を背けて逃げてばかりいてはいけません」と諭されたマーヴィンは仕方なくシセーラ侯爵家へと向かった。


「世界で一番お前が嫌いだ」

「‥‥マーヴィン、様?」


ベアトリスは熱に浮かされながらも目を見開いていた。
ベアトリスが意識があると思わずに、マーヴィンは驚いた。
しかしマーヴィンの脳内にはハンナの笑顔‥気持ちは溢れ出ていく。


「このまま目が覚めなければいいのに‥」


(そうすれば、ハンナと‥)
< 37 / 68 >

この作品をシェア

pagetop