ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
「‥‥」

「‥‥」


いくら待っても何も言わないマーヴィンに痺れを切らしたベアトリスは、問いかけるように口を開いた。


「マーヴィン様がずっと望んでいた事ですから、勿論‥拒否など致しませんよね?」

「‥‥なぜ」

「何故ですって?御自分のだらしない下半身と浅慮な頭に聞いてくださいませ」

「‥‥」

「そのままの意味ですわ」


ベアトリスの嫌味すらも聞こえていないのか、マーヴィンは瞳を揺らしながら「なぜ」「なにを」と繰り返しながら呟いている。

自分が婚約破棄を告げられて納得出来ないのか、はたまた頭がついていかないのか。

マーヴィンが顔を上げたかと思いきや、口から出てきたのは有り得ない言葉だった。


「‥‥そ、そうやって、俺の気を引きたいからと嘘ばかり言って!」

「嘘ですって‥?」

「っ、そうだ!お前がそんな事を俺に言う筈ないだろうが!!」

「‥‥はぁっ!?」
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