ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
捻くれた解釈を始めたマーヴィンに、ベアトリスは苛立ちを噛み締める。

(今、お前の前で言ってるだろうが‥!!)

マーヴィンに「死ぬほど嫌い」だと言われたベアトリスが「なら婚約破棄しましょう」と言うことで、マーヴィンの気持ちを自分に向けようとしているとでも思ってるのだろうか。

(自分は嫌い嫌い言ってる癖に、いざ相手に拒否されたら狼狽えるなんて笑っちゃうわ)

どうやらマーヴィンはベアトリスの言葉を"気を引くための嘘"として捉えることにしたようだ。
そのまま素直に婚約破棄を受け入れるつもりはないらしい。


「それで?この俺を脅しているつもりか!?卑怯者めッ」

「卑怯だったのはどっちかしら」

「お前に決まってる‥!俺の自由を奪っておいて!!」


サラリと言い放ったマーヴィンにベアトリスは目を剥いた。
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