ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
「そんな、急に‥っ!」

「セレクト公爵家への毎月の援助も打ち切り。支度金も勿論なし」

「‥ま、待て!」

「けれど、マーヴィン様がずっと望んでいた''自由"が手に入りますわ」

「‥‥!」

「お互いスッキリして円満にサヨナラ‥‥素敵でしょう?」


その言葉で、やっとベアトリスが本気で言っているのが分かったのか、マーヴィンの高圧的だった態度がガラリと変わる。
ベアトリスに見放されて、己の不貞行為が露呈するとでも思っているのだろうか。
それともセレクト公爵に煩く言われるのが面倒なのだろうか。

今まで見たことがないような焦りの表情を浮かべて、小さく首を振っている。


「ち、違う‥!お前は俺が好きで‥」

「好きではありません。出来ることなら2度と顔を見たくありませんわ」

「嘘だッ‥!」

「わたくし達の関係はこれで終わり」

「っ‥!?」


その後もマーヴィンは「有り得ない」「意味がわからない」と繰り返すだけで、どうにも会話が成り立たない。
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