ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
そんなある日、ベアトリスは高熱を出した。

雨の日にマーヴィンと他の御令嬢がデートしているのを草叢に忍んで見張っていたからだろう。

ベアトリスの高熱は下がる事は無かった。
命すらも危ないと言われて三日三晩苦しみ続けた。
それでもベアトリスの元にマーヴィンは見舞いに来なかった。

少しだけ熱が下がった頃、ベアトリスは「マーヴィン様に会いたい‥」と譫言のように呟いた。

ベアトリスの兄であるブランドがマーヴィンに何度か連絡した後、マーヴィンは侯爵邸にやって来た。
気を遣った家族達はベアトリスとマーヴィンを残して部屋を出た。


「マ、ヴィン様‥?」


ベアトリスは震える腕をマーヴィンに伸ばす。
ブランドがマーヴィンを呼んだことを知らなかったベアトリスは、自分を心配したマーヴィンがお見舞いに来てくれたのだと思ったのだ。

けれど‥
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