ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!

どうやら、ベアトリスがマーヴィンと婚約破棄した後に広がる悪評や、狭まる選択肢に活路を見出したマーヴィンは先程とは一転して笑みを深めている。

押されっぱなしであったマーヴィンは、ここにきてまた以前のように横平な口を利き始めた。
ベアトリスより優位に立てたとでも思っているのか、今まで焦りが滲んでいた情けない顔は、余裕のある表情に変わる。



「ーーお前は、俺と結婚するしかないんだよ‥!」



そんなマーヴィンの言葉に、ブン殴ってやりたい気持ちを一生懸命押さえながら、ベアトリスはフーッと息を吐き出した。

これ以上、調子に乗られても不愉快なのでベアトリスはマーヴィンに断りを入れる。


「嫌ですわ」

「‥‥!!」

「結婚は致しません」

「なら‥‥ならば慰謝料を寄越せ!!お前が婚約破棄したいと言ったんだからな」

「‥‥」

「俺には貰える権利があるだろう!?」
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