ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
「チッ‥」

「‥?」

「世界で一番お前が嫌いだ」

「‥‥マーヴィン、様?」


マーヴィンの放った言葉にベアトリスは目を見開いた。
椅子に座りマーヴィンは憎しみの籠った瞳でベアトリスを見下していた。


「例えお前と結婚したとしても、俺は一生お前を愛さない」

「‥‥」

「いっそ目が覚めなければいいのに‥」


マーヴィンの声がベアトリスに届いた。
そのまま立ち上がり、部屋から出て行った。

ベアトリスの頬にはゆっくりと涙が伝っていく。

(わたくしは、また間違えてしまったのね‥)

次第にベアトリスの目から大粒の涙がポロポロと零れ落ちた。
心が苦しくて痛くて堪らない。

(こんなことなら、マーヴィン様への恋心など全て消えてしまえばいいのに‥!)

そのうちに視界がぼやけて真っ暗に染まる。
そのままベアトリスは意識を手放した。
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