ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
こうなる事を予想していたのかブランドは馬車の中でベアトリスを待っていたのだ。
そしてタイミングバッチリに出てきたブランドの様子を見るに、近くで待機していたに違いない。
マーヴィンは体裁を守る為に、いつもベアトリスと話す時には人払いをする。
口ではマーヴィンに勝てても、こうなってしまえば体格差でマーヴィンには絶対に敵わない。
結果、ブランドに付いてきてもらって大正解だった。
「ーークソ野郎!離せ、離せッ‥!」
騒ぎを聞きつけて人が集まってくる。
そんな時、タイミングよくセレクト公爵も姿を見せた。
公爵を探す手間が省けたと、ベアトリスは立ち上がり砂埃を払う。
そして満面の笑みを浮かべながら契約書と被害者リストを渡して、婚約破棄をしたいという意思を伝えたのだった。
シセーラ侯爵家の援助と支度金を当てにして生活していた為、ベアトリスと婚約の話がなくなればセレクト公爵家に道は残されていない。
「マーヴィン様、サヨナラ」