ヤンデレ令嬢、大好きだった婚約者とサヨナラします!
そしてハンナとマーヴィンの事だが、結果から言ってしまえば2人が結ばれることはなかった。

心優しい聖母のようなハンナは、マーヴィンを助ける事は出来なかった。

どうやら王女ハンナのせいで、ベアトリスとマーヴィンが婚約破棄したという噂が広まり、それを揉み消す為にベアトリスの元には王家からの使者が来た。
その噂をベアトリス本人に否定してもらうためだ。
王女の将来の為には必要なことなのだそうだ。

そしてベアトリスは王家から口止め料をたんまりと頂いた。
これから傷物令嬢として生きていくには、お金が必要だと思ったベアトリスは遠慮なく頂戴しておいた。
やはり原因はマーヴィンにあったとしても、この世界において婚約破棄の代償は大きい。


しかしベアトリスは、健康な体と自由さえあれば他に何もいらないと思っていた。

ずっとベッドの上で同じ景色を見続けなくてもいい。
何処にだって自分の足で歩いていける。
呼吸が苦しくて寝れないこともない。
ご飯が本当に美味しくて、幸せで‥。
苦い薬を毎日飲まなくていい。
検査も、点滴も全て必要ない。

ベアトリスは自由だった。

そんな健康な体に感謝しつつ、ベアトリスは朝を迎える。
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