継母に永遠の眠りの呪いを掛けられましたが、解呪の力を持つ婚約者が訪れることなく二百年の月日が流れて、自力で目覚めた姫は私です。
国王に愛されるのはこの私一人だけでいいのだと……姫を恐ろしく冷たい永遠の眠りにつかせる呪いを掛けたのです。
……こうして、姫は魔女の呪いを受け永遠の眠りにつき、ずっとずっと待ち続けているのです。
呪いを解き放つ唯一の方法である、運命の人からの魔法のキスを。
長い冬を終わらせるような、温かい春の日差しのような優しいキスを……。
西の魔の森にそびえ立った塔の中で眠る姫は、今もそこでずっと――。