竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
きずな君に告白をした時のことは、今でも鮮明に覚えている。
『わたし、きずな君が好き』
あれは、高校2年生のお昼休みのこと。きずな君とお喋りするのが日課になっていたわたしは、ふと生じた話の合間、そんな風に気持ちを伝えた。
きずな君は目を丸くして、わたしのことを見つめていた。
突然、他にもたくさん人がいる教室で想いを明かされて、驚かせてしまった申し訳なさはある。
だけどそれでも、わたしは想いを告白せずにいられなかった。
『もしもきずな君が、ほんの少しでもわたしを好きって想ってくれているなら……わたしをきずな君の彼女にして?』
特段好きじゃない子とでも、お付き合いが出来るって男子がたくさんいるのは知っている。
だけど、当時、きずな君は本当に色んな女の子から想いを寄せられていて。しょっちゅう告白されては、その度に断っているのをわたしは知っていた。
わたしがきずな君と一番仲の良い女の子だっていう自負はあっても、彼がわたしと同じ想いを抱いているかは、やっぱり自信が無くて。
『……少しなんかじゃない』
だけど、きずな君が口にしたのは、そんな言葉だった。きずな君の顔は真っ赤で、困ったような笑顔で。その瞬間、わたしの心臓はギュッて大きく収縮した。
『……俺が先に言おうと思っていたのに』
きずな君はそう言って、わたしの手を握った。大きくて熱くて、抱き締めたくなる手のひらだった。愛しくて堪らなくて、きずな君の瞳を見ていたら、いつの間にか涙が零れていた。
『好きだよ、逢璃。逢璃のことが、どうしようもないぐらい、好きだ』
言葉が、熱い眼差しが、わたしの涙を拭う優しい指先が、彼の想いが本当だって教えてくれる。
あの瞬間、わたしはきっと、世界中で一番幸せな女の子になった。
『わたし、きずな君が好き』
あれは、高校2年生のお昼休みのこと。きずな君とお喋りするのが日課になっていたわたしは、ふと生じた話の合間、そんな風に気持ちを伝えた。
きずな君は目を丸くして、わたしのことを見つめていた。
突然、他にもたくさん人がいる教室で想いを明かされて、驚かせてしまった申し訳なさはある。
だけどそれでも、わたしは想いを告白せずにいられなかった。
『もしもきずな君が、ほんの少しでもわたしを好きって想ってくれているなら……わたしをきずな君の彼女にして?』
特段好きじゃない子とでも、お付き合いが出来るって男子がたくさんいるのは知っている。
だけど、当時、きずな君は本当に色んな女の子から想いを寄せられていて。しょっちゅう告白されては、その度に断っているのをわたしは知っていた。
わたしがきずな君と一番仲の良い女の子だっていう自負はあっても、彼がわたしと同じ想いを抱いているかは、やっぱり自信が無くて。
『……少しなんかじゃない』
だけど、きずな君が口にしたのは、そんな言葉だった。きずな君の顔は真っ赤で、困ったような笑顔で。その瞬間、わたしの心臓はギュッて大きく収縮した。
『……俺が先に言おうと思っていたのに』
きずな君はそう言って、わたしの手を握った。大きくて熱くて、抱き締めたくなる手のひらだった。愛しくて堪らなくて、きずな君の瞳を見ていたら、いつの間にか涙が零れていた。
『好きだよ、逢璃。逢璃のことが、どうしようもないぐらい、好きだ』
言葉が、熱い眼差しが、わたしの涙を拭う優しい指先が、彼の想いが本当だって教えてくれる。
あの瞬間、わたしはきっと、世界中で一番幸せな女の子になった。