竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
あれから4年の月日が流れた。
15歳が成人のこの世界で、わたしは数か月後に学校の卒業を控えている。卒業までの間に就職活動をして、自力で生活をできるようになる――というのがこの世界の14歳の少年少女の一般的な生き方だ。
つまりわたしは今、前世でいう高校3年生や大学4年生の立ち位置――人生の岐路にいる。
この時期になると、授業という授業は殆どない。一旦出席を確認し、その後は各々の目的に向けて活動をする、という感じだ。
「――――お守りは持った? きちんと肌身離さず持っているんだよ」
「ちゃんと持ってますよ。心配無用です」
旦那様の言葉に苦笑する。
わたしが外出することに対して、旦那様は未だに敏感だった。誘拐された事実が尾を引いているらしい。
あの時わたしを誘拐したのは旦那様のお父様だった。それを知った時は、ビックリしたけど、同時に妙に納得できて。
だけど、旦那様はそれ以降は一度も、お父様の話をしなくなった。
『父は自分とは関係のない人だから』
旦那様はそう言っていたけれど、本当にこのままで良いのかはわたしには分からない。家族なんだから、いつかは仲直りした方が良いんじゃないかなぁって思いつつ、旦那様の様子を見ている。
だって、あの時のことを口にすると、旦那様は傷ついた表情を浮かべるんだもの。いつも笑っていてほしいから、ついつい言葉を呑み込んでしまう。
15歳が成人のこの世界で、わたしは数か月後に学校の卒業を控えている。卒業までの間に就職活動をして、自力で生活をできるようになる――というのがこの世界の14歳の少年少女の一般的な生き方だ。
つまりわたしは今、前世でいう高校3年生や大学4年生の立ち位置――人生の岐路にいる。
この時期になると、授業という授業は殆どない。一旦出席を確認し、その後は各々の目的に向けて活動をする、という感じだ。
「――――お守りは持った? きちんと肌身離さず持っているんだよ」
「ちゃんと持ってますよ。心配無用です」
旦那様の言葉に苦笑する。
わたしが外出することに対して、旦那様は未だに敏感だった。誘拐された事実が尾を引いているらしい。
あの時わたしを誘拐したのは旦那様のお父様だった。それを知った時は、ビックリしたけど、同時に妙に納得できて。
だけど、旦那様はそれ以降は一度も、お父様の話をしなくなった。
『父は自分とは関係のない人だから』
旦那様はそう言っていたけれど、本当にこのままで良いのかはわたしには分からない。家族なんだから、いつかは仲直りした方が良いんじゃないかなぁって思いつつ、旦那様の様子を見ている。
だって、あの時のことを口にすると、旦那様は傷ついた表情を浮かべるんだもの。いつも笑っていてほしいから、ついつい言葉を呑み込んでしまう。