竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
(あっ……)
旦那様はわたしの頭上にそっと手を掲げる。触れてほしくて、撫でてほしくて、ドキドキしながら旦那様を見上げる。
けれど、手は一向にわたしの頭には下りてきてくれない。背伸びをしても届かなくて、もどかしさの余り眉をへの字型に曲げる。そしたら旦那様は仕方がないなぁって顔で笑った。
旦那様のこの顔にわたしは物凄く弱い。前世からずっと、大好きで堪らない顔だ。
「……撫でてくれないんですか?」
気づいたらそんなことを尋ねていた。旦那様の笑顔のせいだ。
だって、見てたら『愛しい』って言われてる気分になるんだもん。尋ねて良いかなぁって思ってしまう。
「―――――――今はね」
旦那様はそんなことを言いながら、優しい顔をして笑っている。
(嘘吐き)
そう言って、もうずっと――都合三年近く――旦那様はわたしに触れてない。
あんなに頻繁に手を繋いでいたことも、何度も何度も頭を撫でてくれたことも、ギュッてキツく抱き締めてくれたことも。全部全部嘘みたいに、ピタリと触れてくれなくなった。
旦那様はわたしの頭上にそっと手を掲げる。触れてほしくて、撫でてほしくて、ドキドキしながら旦那様を見上げる。
けれど、手は一向にわたしの頭には下りてきてくれない。背伸びをしても届かなくて、もどかしさの余り眉をへの字型に曲げる。そしたら旦那様は仕方がないなぁって顔で笑った。
旦那様のこの顔にわたしは物凄く弱い。前世からずっと、大好きで堪らない顔だ。
「……撫でてくれないんですか?」
気づいたらそんなことを尋ねていた。旦那様の笑顔のせいだ。
だって、見てたら『愛しい』って言われてる気分になるんだもん。尋ねて良いかなぁって思ってしまう。
「―――――――今はね」
旦那様はそんなことを言いながら、優しい顔をして笑っている。
(嘘吐き)
そう言って、もうずっと――都合三年近く――旦那様はわたしに触れてない。
あんなに頻繁に手を繋いでいたことも、何度も何度も頭を撫でてくれたことも、ギュッてキツく抱き締めてくれたことも。全部全部嘘みたいに、ピタリと触れてくれなくなった。