竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
「でもさ、あんなにいっぱい撫でてくれてたんだよ? たくさんギュッてして、手も繋いで……それなのに、さ」
言いながら目頭がツンと熱くなった。
今でも頭や手のひらに、旦那様の温もりが残っている。ギュッてされたときの幸福感が心をときめかせる。
これじゃ完全に生殺しだ。
折角、ようやく、大人になれたのに。
「そんなに気に病む必要ないと思うなーー。アイリスちゃんの憂慮は、どうせ、あと数十分で片がついちゃうものなんだから」
そう言ってニコラスは悪戯っぽく笑う。わたしはムッと唇を尖らせた。
「数十分? まさか。2年近くも悩んでるんだよ?」
そんなに簡単な話なら、端から悩んだりしない。
「「2年近く悩んでいても、だ」」
だけど、ニコラスとアクセスは二人してそう断言した。あまりにも自信満々な二人の様子に、わたしは首を傾げる。何だか釈然としなかった。
言いながら目頭がツンと熱くなった。
今でも頭や手のひらに、旦那様の温もりが残っている。ギュッてされたときの幸福感が心をときめかせる。
これじゃ完全に生殺しだ。
折角、ようやく、大人になれたのに。
「そんなに気に病む必要ないと思うなーー。アイリスちゃんの憂慮は、どうせ、あと数十分で片がついちゃうものなんだから」
そう言ってニコラスは悪戯っぽく笑う。わたしはムッと唇を尖らせた。
「数十分? まさか。2年近くも悩んでるんだよ?」
そんなに簡単な話なら、端から悩んだりしない。
「「2年近く悩んでいても、だ」」
だけど、ニコラスとアクセスは二人してそう断言した。あまりにも自信満々な二人の様子に、わたしは首を傾げる。何だか釈然としなかった。