竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
30.旦那様と男心(後編)
「なぁリアン、おまえ仕事は? まだ残ってるんじゃないの?」
ニコラスはそう言って、ニヤニヤしながらこちらを見ている。
わたしはというと、旦那様にギュッと抱き締められたまま身動きが取れない。既に苦しいぐらいなのに、腕にはどんどん力が込められていく。
だけど、約二年ぶりの抱擁だもの。今を逃したら、次いつ味わえるかわからないもの。力いっぱい抱き返した。
「仕事なら終わらせてきた」
「またまた~~。週末までに終わらせないといけない仕事がたくさんあるって言ってただろう? そんなすぐ終わるわけないじゃん。良いよ良いよ、アイリスちゃんのことは僕が送ってあげるから。気にせず残業しなよ」
そう言ってニコラスはわたし目掛けて手を伸ばす。
けれど、旦那様はニコラスから遠ざけるようにわたしを抱き締め、眉間に皺を寄せた。
「終わらせてきたと言っている」
「あの量を?」
問い掛けたのはアクセスだった。感心したような、寧ろ呆れたような、何とも言えない表情を浮かべている。
ニコラスはそう言って、ニヤニヤしながらこちらを見ている。
わたしはというと、旦那様にギュッと抱き締められたまま身動きが取れない。既に苦しいぐらいなのに、腕にはどんどん力が込められていく。
だけど、約二年ぶりの抱擁だもの。今を逃したら、次いつ味わえるかわからないもの。力いっぱい抱き返した。
「仕事なら終わらせてきた」
「またまた~~。週末までに終わらせないといけない仕事がたくさんあるって言ってただろう? そんなすぐ終わるわけないじゃん。良いよ良いよ、アイリスちゃんのことは僕が送ってあげるから。気にせず残業しなよ」
そう言ってニコラスはわたし目掛けて手を伸ばす。
けれど、旦那様はニコラスから遠ざけるようにわたしを抱き締め、眉間に皺を寄せた。
「終わらせてきたと言っている」
「あの量を?」
問い掛けたのはアクセスだった。感心したような、寧ろ呆れたような、何とも言えない表情を浮かべている。