竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
「わぁ……! 遊園地に来るのなんて、すっごく久しぶり!」
翌日、俺の目論み通り、逢璃はそう言って嬉しそうに目を輝かせた。
デートをするなんて生まれて初めての経験だ。思いついたのも昨日のことで、プランを立てる時間なんてない。
だから、散々悩んだ挙句、俺は逢璃が一番喜びそうな場所を選んだ。
「子どもの頃、家族で来たっきりだもん。五年ぶりぐらいかな? きずな君は?」
「実を言うと俺、遊園地に来るのは初めてなんだ」
「えっ、そうなの? 本当に?」
「うん。正直、一生来ることは無いだろうと思ってた」
言えば逢璃は目を丸くし、ほんのりと頬を赤らめる。
「逢璃と一緒だから、来たいと思ったんだ」
加えて言えば、ギュッと恥ずかしそうに目を瞑った。
可愛い。本当に、心から愛しい。