竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
わたしは本当に、いつ死んでも良いぐらいに幸せだった。
だって、きずな君のお嫁さんになれたんだもの。世界で一番幸せな女の子だった。
だから、きずな君が死ぬ必要なんて、全然なかった。彼にはわたしが居なくなった後も、幸せに暮らしてほしかったのに。こんな形で彼に業を背負わせてしまうなんて――――。
「おまえが謝る必要など、何一つない」
アクセスが言う。顔は見えないけど、彼の声もまた、わたしみたいに震えていた。
「おまえはあいつの『心臓』として生まれてきてしまった――――ただそれだけのことだ」
アクセスの言葉に、わたしは身体を震わせる。
わたしが、旦那様の心臓であること――――その表現は決して、大げさなんかじゃない。
現世でのプロポーズの時、旦那様は『わたしが生まれてくるまで空っぽだった』って、そう言ってた。ずっとわたしを待ってた、探してたって。それは全部真実なんだと、きずな君の記憶を見た今、心からそう思う。
「だけど、皮肉なことだね。アイリスちゃんがいないと生きて行けないあいつは、アイリスちゃんよりもずっと長寿の竜人として生まれてきてしまった」
ニコラスが大きなため息とともに口にする。
逆であればどんなに良かっただろう。きっと、三人が三人とも、同じことを思っている。けれど、事実を変えることは誰にもできない。
だって、きずな君のお嫁さんになれたんだもの。世界で一番幸せな女の子だった。
だから、きずな君が死ぬ必要なんて、全然なかった。彼にはわたしが居なくなった後も、幸せに暮らしてほしかったのに。こんな形で彼に業を背負わせてしまうなんて――――。
「おまえが謝る必要など、何一つない」
アクセスが言う。顔は見えないけど、彼の声もまた、わたしみたいに震えていた。
「おまえはあいつの『心臓』として生まれてきてしまった――――ただそれだけのことだ」
アクセスの言葉に、わたしは身体を震わせる。
わたしが、旦那様の心臓であること――――その表現は決して、大げさなんかじゃない。
現世でのプロポーズの時、旦那様は『わたしが生まれてくるまで空っぽだった』って、そう言ってた。ずっとわたしを待ってた、探してたって。それは全部真実なんだと、きずな君の記憶を見た今、心からそう思う。
「だけど、皮肉なことだね。アイリスちゃんがいないと生きて行けないあいつは、アイリスちゃんよりもずっと長寿の竜人として生まれてきてしまった」
ニコラスが大きなため息とともに口にする。
逆であればどんなに良かっただろう。きっと、三人が三人とも、同じことを思っている。けれど、事実を変えることは誰にもできない。