竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
「それで、アイリス。おまえはこれからどうしたい?」
アクセスがわたしに、そう尋ねた。ニコラスがわたしの瞳を覆っていた手のひらをゆっくりと退かしていく。視界が涙で滲んだ。
「――――――どう、したら良いんだろう?」
ゴールのない迷路に迷い込んだような心地で、わたしはそう尋ね返した。
旦那様に死んでほしくなんてない。今度こそ、最後まで天寿を全うしてほしい。
そう思うけど、今のわたしは旦那様の深すぎる想いを知っている。単純に『死なないで』と言って済む問題とは思えなかった。
「わたしね……きずな君には、新しい恋をしてでも、生き抜いて欲しかった」
きずな君がわたし以外の人を愛することを想像すると、少しだけ悲しい。
けれど、きずな君が笑ってくれることの方がずっと大事だった。幸せでいてほしかった。少なくとも、あんな風に死なせたくはなかったのに。
「ねぇ、わたしが『生まれ変わっても一緒になりたい』なんて言わなかったら、きずな君は他の誰かと幸せになれたのかな?」
そう思うと、悔やんでも悔やみきれない。
けれど、ニコラスもアクセスも首を大きく横に振った。
「例えアイリスちゃんがそう言ってなかったとしても、あいつ――――前世のリアンは、君じゃなきゃダメだったんだと思う。
今のリアンだってそうだ。きっとアイリスちゃんが『自分が死んだ後は他の人を愛してほしい』と言ったって、耳を貸しやしない。そういう奴なんだよ」
ニコラスの言葉に涙が零れ落ちる。
そうだったら良いな――――わたしは大きく頷いた。
アクセスがわたしに、そう尋ねた。ニコラスがわたしの瞳を覆っていた手のひらをゆっくりと退かしていく。視界が涙で滲んだ。
「――――――どう、したら良いんだろう?」
ゴールのない迷路に迷い込んだような心地で、わたしはそう尋ね返した。
旦那様に死んでほしくなんてない。今度こそ、最後まで天寿を全うしてほしい。
そう思うけど、今のわたしは旦那様の深すぎる想いを知っている。単純に『死なないで』と言って済む問題とは思えなかった。
「わたしね……きずな君には、新しい恋をしてでも、生き抜いて欲しかった」
きずな君がわたし以外の人を愛することを想像すると、少しだけ悲しい。
けれど、きずな君が笑ってくれることの方がずっと大事だった。幸せでいてほしかった。少なくとも、あんな風に死なせたくはなかったのに。
「ねぇ、わたしが『生まれ変わっても一緒になりたい』なんて言わなかったら、きずな君は他の誰かと幸せになれたのかな?」
そう思うと、悔やんでも悔やみきれない。
けれど、ニコラスもアクセスも首を大きく横に振った。
「例えアイリスちゃんがそう言ってなかったとしても、あいつ――――前世のリアンは、君じゃなきゃダメだったんだと思う。
今のリアンだってそうだ。きっとアイリスちゃんが『自分が死んだ後は他の人を愛してほしい』と言ったって、耳を貸しやしない。そういう奴なんだよ」
ニコラスの言葉に涙が零れ落ちる。
そうだったら良いな――――わたしは大きく頷いた。