竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
「危険すぎる。何が起こるか分からない」
竜人と人間との間に子を授かった例はなく、出産時に何が起こるか分からない、というのがその理由だった。
「んーー確かに、出産の時点で角が生えてたらお産の時に痛いかも」
正直な感想を口にすると、旦那様は真剣な表情でわたしのことを見つめる。
「痛い、じゃ済まないかもしれないだろう?」
切実な声音。
わたしは旦那様のことをギュッと抱き締める。
「分かってます。旦那様がわたしを心配してくれてること。だけど、旦那様とわたしの子どもなんですよ?」
言えば、旦那様は今にも泣き出しそうな表情で唇を引き結ぶ。
「わたしは――――旦那様に『嬉しい』って言って欲しいです」
ポンポンと赤子を宥めるように背中を撫でると、旦那様はわたしの肩口に顔を埋める。
「嬉しい――――嬉しいよ、アイリス」
「うん」
不安は当然あった。普通のお産でさえ、命を落とすこともある。
だけどそれでも、わたしは旦那様の子を産みたかった。
旦那様はわたしの出産のために、ずっと疎遠になっていた実家のお母さまに連絡を取った。わたしの力になって欲しいと。自分を産んだときのことを教えてやってほしいと、そう言ってくれた。
竜人と人間との間に子を授かった例はなく、出産時に何が起こるか分からない、というのがその理由だった。
「んーー確かに、出産の時点で角が生えてたらお産の時に痛いかも」
正直な感想を口にすると、旦那様は真剣な表情でわたしのことを見つめる。
「痛い、じゃ済まないかもしれないだろう?」
切実な声音。
わたしは旦那様のことをギュッと抱き締める。
「分かってます。旦那様がわたしを心配してくれてること。だけど、旦那様とわたしの子どもなんですよ?」
言えば、旦那様は今にも泣き出しそうな表情で唇を引き結ぶ。
「わたしは――――旦那様に『嬉しい』って言って欲しいです」
ポンポンと赤子を宥めるように背中を撫でると、旦那様はわたしの肩口に顔を埋める。
「嬉しい――――嬉しいよ、アイリス」
「うん」
不安は当然あった。普通のお産でさえ、命を落とすこともある。
だけどそれでも、わたしは旦那様の子を産みたかった。
旦那様はわたしの出産のために、ずっと疎遠になっていた実家のお母さまに連絡を取った。わたしの力になって欲しいと。自分を産んだときのことを教えてやってほしいと、そう言ってくれた。