竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
「――――まだ痛むか?」
旦那様の顔がこんなに近い。心配そうな表情が、優しい眼差しが物凄く愛しくて、涙がポロポロ溢れた。
「あれはおまえの両親か?」
何も言わないわたしに、旦那様は質問を重ねる。
既に魂の抜け落ちた両親の亡骸。そちらの方をチラリと見ながら、旦那様は眉間に皺を寄せた。
(あぁ、そっか。わたし、孤児になっちゃったんだ)
今日までわたしのことを大事に育ててくれた両親はもういない。前世と違って、魔族が多数犇めき合うこの世界でひとり、わたしは生きて行かないといけないんだ。そう思うと身が竦む。
「おまえ、名前は?」
「――――――アイリス、と申します」
その瞬間、旦那様はわたしのことを覚えていないんだってハッキリわかった。でも、あんまりショックじゃなかった。だって、覚えてなくてもわたしのことを助けてくれた。こうして傷を癒してくれて、それだけでも十分だもの。
(嘘。本当は全然十分じゃない)
だってだって、また巡り会えたんだもん!生まれ変わっても一緒になるって約束したんだもん!側にいたいに決まっている。ずっとずっと、一緒にいたいに決まっている。
(あれ……?)
そんなことを考えていたら、段々と頭が痛くなってきた。頭がくらくらして、猛烈に瞼が重くなって、気づいたらわたしは、意識を手放していた。
旦那様の顔がこんなに近い。心配そうな表情が、優しい眼差しが物凄く愛しくて、涙がポロポロ溢れた。
「あれはおまえの両親か?」
何も言わないわたしに、旦那様は質問を重ねる。
既に魂の抜け落ちた両親の亡骸。そちらの方をチラリと見ながら、旦那様は眉間に皺を寄せた。
(あぁ、そっか。わたし、孤児になっちゃったんだ)
今日までわたしのことを大事に育ててくれた両親はもういない。前世と違って、魔族が多数犇めき合うこの世界でひとり、わたしは生きて行かないといけないんだ。そう思うと身が竦む。
「おまえ、名前は?」
「――――――アイリス、と申します」
その瞬間、旦那様はわたしのことを覚えていないんだってハッキリわかった。でも、あんまりショックじゃなかった。だって、覚えてなくてもわたしのことを助けてくれた。こうして傷を癒してくれて、それだけでも十分だもの。
(嘘。本当は全然十分じゃない)
だってだって、また巡り会えたんだもん!生まれ変わっても一緒になるって約束したんだもん!側にいたいに決まっている。ずっとずっと、一緒にいたいに決まっている。
(あれ……?)
そんなことを考えていたら、段々と頭が痛くなってきた。頭がくらくらして、猛烈に瞼が重くなって、気づいたらわたしは、意識を手放していた。