竜人様に拾われました～転生養女は現世でも妻として愛されたい～
　食材を買うのは最後に回して、わたしたちはカフェに行ったり、洋服を見に行ったり、インテリアを見に行ったりしながら、とっても楽しい一日を過ごした。

　十歳の女の子の休日なんて、ファストフードにおもちゃ屋さん、ゲームセンターみたいな場所で遊ぶのが定番だと思っていたけど、旦那様はわたしのことをレディーとして扱ってくれた。そのことが心の底から嬉しい。


（旦那様の目には、わたしはどんな風に映っているんだろう）


　普通に考えたらわたしは、結婚適齢期どころか恋愛適齢期にすら達していない幼い子供で、そういう対象に見られていないだろうってことは分かっている。それでも『未来のお嫁さん候補』ぐらいには思ってくれているんだろうか。
　だから、こんな風に扱ってくれるんだろうか。


（単に幼女の扱い方が分からないだけかもしれないけど）


　こういう時は自分の都合の良いように妄想する方が幸せだ。わたしは旦那様から『女性として見られている』って結論付けて、上機嫌に笑う。


「見て見て、あの兄妹可愛いっ」


　けれど、タイミングが悪いことって間々あるもので。わたしたちのすぐ後で、そんな会話が聞こえてきた。


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