竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
「本当……でも、女の子の方は人間よ。もしかして、養女になさったのかなぁ」


 周りには他に人間の女の子はいない。わたしたちのことを話しているのは明らかだった。


「ちょっ、男性の方は竜人族のリアン様じゃない! いいなぁ、私もリアン様に養われたい~~!」


 声とか話し方とか若々しいし、どうやらわたしたちのことを噂しているのは若い女の子達らしい。
 そうか、旦那様は有名人なのか。そりゃあ、そうだよ。これだけの美貌の持ち主だもんね。


(でもさぁ! 養われたいって……!)


 女の子達のセリフを反芻しながら、わたしは首を横に振る。
 ダメダメ!旦那様はわたしのなんだから!わたしの旦那様なんだから!他の人がそういうことを妄想するの禁止!禁止ですっ!


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