竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
(でも、それじゃダメなんだもん)


 別に働くことに拘りがあるわけじゃなくて、わたしは中身が空っぽな人間になりたくない。ちゃんと知識を身に着けて、内面から輝く何かを身に着けて、ちゃんと旦那様にとって魅力的な女の子になりたい。

 首を横に振りつつ、わたしは旦那様を見つめた。


「でもね、旦那様。わたし、お友達も欲しいなぁ」


 こうなったらもう自棄だ。子どもっぽさ全開だけど、こっちの方が反論されづらい。上目づかいで旦那様を見上げながら、わたしは首を傾げた。


「……ロイだけじゃ足りないのか?」

「はい。同年代のお友達が欲しいです」


 嘘です。本当は同年代じゃなくても大丈夫です。
 本心がバレないか心配で、心臓がドキドキ鳴り響く。


「あの……リアン様はどうして、アイリス様が学校に通われることに反対なさるのですか?」


 その時、ロイが不思議そうな表情でそう尋ねた。


< 50 / 245 >

この作品をシェア

pagetop