竜人様に拾われました～転生養女は現世でも妻として愛されたい～

「あっ……あの、わたし両親を殺されてしまって。わたしもその場に居たんですけど、旦那様が助けてくださったんです」


　気づけばわたしはそう口にしていた。旦那様の視線をめちゃくちゃ近くに感じつつ、わたしはゴクリと唾を呑む。


「それで、行く当てのなくなったわたしを旦那様が看病してくださって。それ以降ここでお世話になっていて」

「……おまえの傷は既に完治している。こんな世界だ。親を殺された子どもなど、いくらでもいる。人間用の孤児院なんて掃いて捨てるほどあるだろう。リアン、どうしてそちらに預けないんだ？」


　アクセスはわたしではなく、旦那様に問いかけた。
　緊張から心臓がドキドキと鳴り響く。旦那様の返答が怖くて、足が竦んだ。


「んーー、まぁねぇ。この子のことを考えると、孤児院で自分と似たような境遇の子と暮らした方が幸せになれるだろうし」


　そう口にしたのはニコラスだった。火傷の方はもう良くなったらしく、ロイから受け取った茶菓子をヒョイっと口に運んでいる。わたしは思わず旦那様をギュッと抱き締めた。