竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
「うーーん、そうだなぁ。どこから話そう? もう随分前の話になるし……うーーん…………」


 くそぅ、焦れったい!勿体つけた話し方に、わたしのストレスゲージはめちゃ高だ。
 全然気にしていない振りをしつつ、耳をそばだてる。


「学生時代のリアンは――――今とあんまり変わんないかな」

「……ああ、そうですか」


 あまりにも期待外れの情報。こめかみにピキッと筋が立つ。

 なによ!そんなこと、知ってるもん。
 わたしだって、旦那様の学生時代を知ってる一人だもん。まあ、前世限定だけど!


「無駄に大人びてて、近づきづらい雰囲気出してて、俺がバカやってるのをしらーーって表情で見てた」

「……そうでしょうね」


 応えつつ、その光景がありありと浮かぶ。
 窓際で本を読んでる旦那様とか。凛と背筋を伸ばして授業を聞いている旦那様とか。
 想像するだけで胸がキュンキュンする。


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