竜人様に拾われました~転生養女は現世でも妻として愛されたい~
「あら? お嬢ちゃんたち、もしかして迷子?」
その時、背後から唐突に声を掛けられ、わたしはビクッと身体を強張らせた。
振り返れば、手のひらサイズの小さな灯りが浮かんで見える。そのすぐ側に薄っすらと人影が見えて、それが声の主だってすぐに分かった。
「危ないわよ、こんな暗い中を灯りもなしに進むなんて」
「すっ、すみません。わたし、魔法が使えなくて」
「ん? ……あら、私と同じ竜人の気配がすると思っていたけど、あなた人間なのね」
声の主はわたし達の近くまで来たかと思うと、灯りを掲げてそっとわたしの顔を覗き込む。
よく見えないけれど、声の主は女性で、スラリとした長身の持ち主だ。可愛いというより、カッコいい感じの声音で、喋り方も何処かきびきびしている。
「こっちの子は小狼族ね。あなたたち、何しにここに来たの?」
「旦那様……いえ、リアン様に差し入れを届けたくて」
「リアンに?」
そう言って女性は目を丸くした。この反応、どうやら旦那様のことを知っているらしい。何となく胸がドキドキする。
「そう。だったら丁度いいわ。私も今からリアンのいる部屋に行くの。一緒に行きましょう?」
女性はサバサバとした口調でそう言うと、クルリと前を向く。ついて来いってことらしい。
「はい。よろしくお願いします」
遠慮する理由も無いので、わたしは女性の後ろをくっついて歩いた。ロイも内心暗闇が怖かったらしく、尻尾を振って喜んでいる。
その時、背後から唐突に声を掛けられ、わたしはビクッと身体を強張らせた。
振り返れば、手のひらサイズの小さな灯りが浮かんで見える。そのすぐ側に薄っすらと人影が見えて、それが声の主だってすぐに分かった。
「危ないわよ、こんな暗い中を灯りもなしに進むなんて」
「すっ、すみません。わたし、魔法が使えなくて」
「ん? ……あら、私と同じ竜人の気配がすると思っていたけど、あなた人間なのね」
声の主はわたし達の近くまで来たかと思うと、灯りを掲げてそっとわたしの顔を覗き込む。
よく見えないけれど、声の主は女性で、スラリとした長身の持ち主だ。可愛いというより、カッコいい感じの声音で、喋り方も何処かきびきびしている。
「こっちの子は小狼族ね。あなたたち、何しにここに来たの?」
「旦那様……いえ、リアン様に差し入れを届けたくて」
「リアンに?」
そう言って女性は目を丸くした。この反応、どうやら旦那様のことを知っているらしい。何となく胸がドキドキする。
「そう。だったら丁度いいわ。私も今からリアンのいる部屋に行くの。一緒に行きましょう?」
女性はサバサバとした口調でそう言うと、クルリと前を向く。ついて来いってことらしい。
「はい。よろしくお願いします」
遠慮する理由も無いので、わたしは女性の後ろをくっついて歩いた。ロイも内心暗闇が怖かったらしく、尻尾を振って喜んでいる。