月下の君には秘密です。


『…そうね。お月様も、きーちゃんみたいに優しいからね~。ずっと晃の事見ていてくれるわよ?』

『そっかッ!』


ふふんとご機嫌になった俺に、
母さんは得意気に言った。


『…あら!晃。きーちゃんのお名前にも、お月様がいるのよ~?知ってる?』

『おなまえ…?』


『ムーン…ってね、お月様って意味なのよ?』


ぱぁ…っと俺と井上は顔を輝かせて、月ちゃんを見た。


『スゴイ!きーちゃんは、お月さまとおなじ!?』

『おなまえ!?』


月ちゃんに、
ぴったりだと思った。


『きーちゃんは月ちゃんだねッ!』

『月ちゃん!』


月ちゃんは、
やっぱり困った様に、
照れた様に…

片眉を上げて笑っていた。


< 113 / 160 >

この作品をシェア

pagetop