月下の君には秘密です。
『…そうね。お月様も、きーちゃんみたいに優しいからね~。ずっと晃の事見ていてくれるわよ?』
『そっかッ!』
ふふんとご機嫌になった俺に、
母さんは得意気に言った。
『…あら!晃。きーちゃんのお名前にも、お月様がいるのよ~?知ってる?』
『おなまえ…?』
『ムーン…ってね、お月様って意味なのよ?』
ぱぁ…っと俺と井上は顔を輝かせて、月ちゃんを見た。
『スゴイ!きーちゃんは、お月さまとおなじ!?』
『おなまえ!?』
月ちゃんに、
ぴったりだと思った。
『きーちゃんは月ちゃんだねッ!』
『月ちゃん!』
月ちゃんは、
やっぱり困った様に、
照れた様に…
片眉を上げて笑っていた。