月下の君には秘密です。
俺の母さんもあんな性格で。
家庭環境も、近所との関係もこんなんだから…
『反抗期』なんて、
している場合じゃない。
もう俺も高2だから、そんなガキじゃないけど…中学時代を振り返っても…
果たして、
俺にあったか…?反抗期。
仮にあったとして…
その行為自体、流されていた様な気がしてならない。
いや。
きっと、そうに違いない。
…やっぱ、ヒドくない?
俺の扱い方。
俺は、
『今晩はお赤飯炊くから!』
と意気込む母さんをじとっと睨んで、何も言わずに家を出た。
せめてもの反抗。
ちっちゃいな…、俺。
玄関のドアを閉めても、母さんのテンションの高い声は聞こえてくる。
『もぉ~嬉しいくせに、素直じゃないんだからッ!可愛いわねー?』
やっぱり。
反抗期なんてムダなんだ…。