月下の君には秘密です。
…なんか、
外が騒がしい…?
また母さんとおばちゃんが家の前で井戸端会議でもしてんのか…?
俺は自分の布団の中で、
うっすらと目を開けたものの、起き上がる気力は未だない。
今日は日曜日。
昨日の雨が嘘の様に、カーテンの隙間からは眩しい光が差し込んでいた。
普段なら部活なんだけど、
サッカー部の練習試合があるとかで、今日は練習もない。
日差しは暖かいとしても気温はもうすっかり寒くて、
ぬくぬくの布団からは出たくもない。
出るの、イヤ。
「…今日は…もぉ起きなぁい…」
俺は一人そう勝手に決め込んで、布団の中で横向きに丸くなった。
デカイ図体して気持ち悪い。
そう思われるかもしれないが、足を折り畳んで丸まって寝るのが一番落ち着く…
どんどん、どんどん…
マブタは落ちてきて。
深い眠りにもう一度入れる。
…そんな時だった。
――…ガチャッ!
元気良く部屋のドアが開いて、
俺はボーッと目を開く。
母さん…?またかよ…
うちの家族は揃いも揃ってデリカシーの欠片もない。
ノック位しろと毎回毎回…
「――…晃ちゃん!!」
「……は!?」
顔を覗かせたのは井上だった。